2008年10月30日木曜日

Seoul:韓国は展覧会盛りだくさん

昨日で韓国滞在の最終日。29日午前中は今度の横浜でのイベントに作品を展示するNamさんと再会し、展示用の作品を受け取り、午後は今までお世話になったPlatformのSAMUSOにご挨拶に行きました。韓国はKIAFでは作品の売り上げはかなりダウンしたものの、展覧会は変わらず目白押しでした。ソウルではメディアシティソウル、プラットフォーム、郊外ではナムジュンパイク、釜山、光州ではそれぞれビエンナーレとかなりの見ごたえです。それぞれ展覧会は、積極的に海外のキュレーターやアーティストと協業し、国際性も高く、地域との連携も図られていて、かつそれぞれの展覧会にはキュレーターの個性が感じられる。コマーシャルのギャラリーも広い空間でクオリティの高い展覧会を開催している。そういった意味では日本は抜かされてしまった、と感じざるを得ません。ちょっと大変ですが4-5日間時間を作ることができれば多くのアート作品に触れられるこの時期、気候もいいので是非韓国行ってみてはいかがでしょうか。

2008年10月28日火曜日

光州:ビエンナーレめぐり

タイトルが一緒になってしまいましたが、今日は光州のビエンナーレを回りました。学者肌であるOkwuiさんがキュレーターだけあって、非常にまじめで知的で落ち着いた展覧会です。クオリティの高い作品を丁寧に見せていて好印象でした。釜山とはとても対照的で、テーマもクリアに違い、どちらも個性があって見飽きません。ちょっとまじめすぎて盛り上がりにかける、と韓国では言われてしまっているようですが。メインのビエンナーレでは、先日イベントにあわせて横浜に来ていたき、プラットフォームでも旧ソウル駅で展示をしているNam Hwayeonの新作が見れました。コンセプチュアルでありながら、非常に展開のテンポの良いとてもいい作品ですので是非いらっしゃる際にはお見逃しなく。
また、今回は市郊外の登山口にあるUijae Museum of Korean Artも会場になっています。メイン会場からシャトルバスに揺られること40分、到着したところは本当に登山口。高尾山口のように多くの登山客がいて、道路わきには川が流れ、その登山口のつけ根に美術館があります。ここでは写真の田中さんのインスタレーションや、西京人チームの一人、Chen shaoxiongの水墨日記シリーズの作品などが展示されていて、なかなかの見ごたえ。ちょっと遠いのですが景色や空気がとてもよく、高原に来た気分で作品が見れるので是非足を運んでみてください。お勧めです。ちなみに周囲には周囲で取れた山菜をふんだんに使った小さなレストランがたくさんあるので食事にも困りません。私も食事を楽しんできました。そして夜遅くに夜行バスで光州からソウルを目指しました。

2008年10月27日月曜日

釜石:ビエンナーレめぐり

日曜日の夜に釜山に到着、今日は釜山ビエンナーレをめぐって夜に光州入りするというちょっと強硬スケジュールです。釜山は市立美術館の展示は良くないけど、シーアートフェスティバルの方は良いという噂を聞いていたのですが、私としてはどちらも悪くなく思い、楽しめました。
正面にどかんと西尾さんの作品があることことからご察しできるかもですが、市立美術館はかなりエログロ系が多いです。こんな作品を市立美術館で展示して大丈夫?と思うくらい。でも私は結構こういう系は好きなので楽しんでしまいましたが。
そしてシーアートの展示もなかなか作品のセレクションのセンスが良くこちらも楽しめました。映像作品が多いのですが、Lisa Jeanninの作品やTellervo Kalleinen and Oliver Kochta-Kalleinen、Tsui Kuang-Yuの作品は面白くついつい見入ってしまいました。日本人作家も、田中功起や宮永愛子、さわひらき、辻直之など、でかなりいい。ゆっくり観ていたらあっという間に閉館時間。夜はシーフードで締めくくり、釜山から光州を目指すのでした。

2008年10月26日日曜日

Yogin:ナムジュンパイク・アートセンター

プラットフォームの仕事が落ち着いた翌日、ソウル市郊外のヨギンに新しくできたばかりのナムジュンパイク・アートセンターに足を運んできました。ソウル市からバスで揺られること30分。ちょっと迷いながらもどうにかたどり着くことができました。ドキュメンタリーを主とした非常に綺麗にまとめられた美術館、という印象でしたが、開館展はちょっと作家と作品を詰め込みすぎた強引な展覧会に映ります。(ちなみに美術館外の体育館などでも展示されていたようですが、うっかり見逃しました、泣)
この美術館内にできたショップ「The Store」はコンテナを改装したかわいらしいつくり。中には、韓国人デザイナーのグッズや日本のアートグッズも充実していててもていい感じです。アートイットもここで年末から販売を開始してくれることになり、感謝!

2008年10月25日土曜日

Seoul:人形劇本番

オープニング翌日。今日は西京人の人形劇の本番です。写真の通り多くの人に詰め掛けていただき人形劇は無事に終了。観客の中にはなんと、昨日アートソンジェセンターで講演をしたDan Grahamの姿も。その後のトークも無事に終了し(私は中国語の通訳を担当、汗)、プラットフォームでの今回の仕事が無事に終了しました。お疲れ様でした。

2008年10月24日金曜日

Seoul:PLATFORMオープン!

とうとう始まりました!プラットフォーム。前日深夜、当日早朝まで準備に終われましたが無事にオープン。私はずっと三清洞につきっきりだったのでソウル駅の方はやっとオープニングに足を運ぶことができました。ソウル駅はやはり期待しただけあって、空間もさることながら、そこに設置される作品も空間にマッチし、非常にいい展示になっています。その中でも一際目に留まるのが入ってすぐ、駅の中心の吹き抜けホールに設置されていた写真のDong Koo Yunの作品。
オープニングには日本からも多くの方に来ていただき盛況でした。展覧会が開いた時がやはり現代美術の仕事をしている時に感じる、一番心地のいい瞬間ですよね。今までの疲れも吹き飛びます。

2008年10月23日木曜日

Seoul:人形劇、どうにか収録終了

月曜日に収録予定だった西京人人形劇ですが、機材の不備で火曜日に延期。そして火曜日もさて本番、という段階で音声の問題が解決できず、いろいろ調整していたら、あっという間に11時を過ぎ、でもって、どうにか収録開始したのですが、それもクオリティ問題でNG。そして3度目の正直ということで、今回はしっかりプロの人にお願いし撮影が始まりました。細かな人形の動きもシーンを切って撮影するなどいい感じで撮影が進みました。3人とも人形劇の撮影、というのはアーティストとしては初めて、かつ言葉の問題ももちろんあり、なかなかスムースには進みませんが、これでやっとひと段落、とったところでしょうか。
人形劇自体は事前に作家立会いでの予行演習ができなかったのですが、彼らは自ら結構練習しいたのか非常に素晴らしい出来。撮影のため、人形劇の裏舞台にしばらくいたりしたのですが、こちら側~観る人形劇もまたおつなもの。時間はあっという間に過ぎ、日付が変わり1時半にやっと終了。お疲れ様でした。今日から映像の編集作業が始まるようです。

収録の前には展覧会の準備の合間を縫って、メディアシティソウルにも足を運んできました。展覧会自体はかなりぐちゃぐちゃでしたが、その中にいい作家が混じっていてそれら作品は見ごたえがありました。全体的には作品がたくさん、作品も技術を楽しく見せる、みたいで万博のパビリオンのようなたたずまいなので、逆に家族連れで行ったら子供は喜んでみるかもしれません。笑

2008年10月18日土曜日

Seoul:PLATFORMプログラム

プログラムがいよいよ公表されました。オープニングは24日、2時から旧ソウル駅、6時からアートソンジェセンターで行われます。なお、24日当日に限り7時、7時15分、7時30分から周辺のガイドツアーがありますのでそれに参加されると、説明を聞きながら一通り展覧会と三清洞周辺を把握できると思うのでお勧めです。

2008年10月17日金曜日

Seoul:Xijing(西京)Menとの準備始まる

今回のPLATFORMでのメインの仕事はXijing Menの新作の準備と設置。おとといソウル入りし、昨日はSAMUSOでずっと待機していたものの作家がなかなか揃わず、夕方までは新作のパペットショウのシナリオをひたすら読んで理解。そして夜の7時にやっと小沢さん登場、8時半にチェンシャオション、9時にキムホンソクが合流し、キックオフは夕食を食べながら、となりました。食後はまずパペットのシナリオをチェンさんに中国語で説明、3人の共通見解ができた時点でショウのシナリオについて再度議論。あっという間に12時を過ぎてしまいました。
ちなみに、チェンシャオションさんは最近銀行をつくったんだ、と言っていて、それは香港のパラサイトで開催されたばかりの展覧会のことなんですが、これがかなり面白い。その名も中国当代芸術銀行。最近中国の現代美術は取引がパタッと止まり、価格も下がってきているので果たしてこの銀行の未来はどうなるか、笑。でも当の本人は逆にそれを冷ややかに見て楽しんでいるよう。ちなみにこの銀行のWEBサイトもあるので是非是非ご覧くださいませ>>Bank of Chinese Contemporary Art

2008年10月16日木曜日

東京:ART iT 21号発売開始!

いよいよ明日からART iT21号の発売開始です。今回は、創刊5周年記念号として、アジア=パシフィックのアートシーン 2003-2008が特集です。かなり気合の入った1号ですので是非ご購入下さい。

2008年10月15日水曜日

横浜→Seoul:アシアナは素晴らしい

いよいよPLATFORM展の設置のためソウル入り。今回は羽田から金浦入りで、アシアナ航空だったのですが、やはり韓国系は機内食がおいしい、ビールも飲める。ちなみにメニューは、海老入りサラダ、きのことブロッコリーがたくさん入ったビーフストロガノフと、新鮮で程よい辛さのキムチ、つぶあん入り最中でした。ちょっと組み合わせのセンスはないのですがマシッソヨー。あと、羽田から飛べるのは、やはり横浜市民にとってはありがたい限りです。体力的な疲れもぜんぜん違います。

2008年10月14日火曜日

横浜:SHIMURABROS.展オープニング

FECのコラボレーションアーティストのSHIMURABROS.の展覧会がいよいよBANKARTで始まりました。オープニングがちょうどZAIMの連絡&懇親会と重なってしまったので少ししかいれませんでしたが、オープニングにはいろいろな方が駆けつけてくださったそうです。
今までのSHIMURABROS.の作品がまとめて観られる貴重な機会ですので是非足をお運びください。19日まで開催しています。

2008年10月13日月曜日

北京:ちょっと遅れて誕生日会

上海の帰り、どうにか1日だけ北京に寄ることができたので、昨日の夜ささやかな誕生日会を開きました。場所は北京で行きつけの居酒屋、鳥小屋。私たちのテーブルの隣も誕生日会で、知り合いもいたため、かなり盛り上がってしまい、久しぶりにビールの一気飲みをしました。また隣のテーブルではケーキを顔になすりつけ、なんて事も始まってしまい、誕生日な私も襲われてしまいました。
誕生日会には、北京のアート関係の友人(この前横浜に来てくれた欧寧さんや、美麗新世界展で大活躍だった李詩さん、昔の同僚でユーレンスで活躍してるスネジャナ、AAAの北京担当をしているフィオナさんなどなど)からアーティストの劉小東さんまで駆けつけてくださり、楽しい一夜になりました。

2008年10月11日土曜日

上海:92階からの景色

設置作業の合間を縫って写真撮影。劉さんの作品はビル92階のホテル内バーラウンジに設置しているのですが、そのラウンジからは、なんと金茂ビルやテレビ塔を見下ろすことができてしまうのです。こんな高いビルをさらに見下ろせるなんて凄い。ちなみにこの撮影位置の前には手すりがつく予定なのですが、まだついていないので足を踏み外すと数階下のロビーに転落してしまう感じで、ちょっと足がすくみました。

2008年10月9日木曜日

上海:作品設置がいよいよ始まる!

天井の内装工事が落ち着きいよいよ作品の設置が始まりました。滑り出しは一応順調。この調子でいい感じに作品が順次吊れていければよいのですが。。ちなみに今日は私の誕生日。この作品設置も、私の今年1年も順調でありますように。

2008年10月8日水曜日

上海:上海ビエンナーレ、Bund3、Bund18

本日も内装工事が落ち着かず、作品の設置作業ができなかったので午前中に駆け足で上海ビエンナーレ、Bund3、Bund18を回ってきました。
上海ビエンナーレはかなりひどい。2年後の万博を意識しているのか、都市をテーマにした展示が多く、上海の歴史を振り返るような展示と現代美術が混ざっていて、それはそれでいいんですが、特に現代美術の作品と展示方法には、かなり辛いものがありました。また観客も何故か普通のローカルのおばちゃんや学生が多く、それもそれでいいのですが、とにかくうるさいし写真もぱしゃぱしゃとりまくり。美術館と言うより公民館にいるようで、落ち着いて展覧会が見れたものではありませんでした。
その後、Bund3で開催されているマイケルリンの個展へ。今までの作風とは一転し、中国の日常のものを展示していましたが、ちょっと理解しにくい展覧会でした。
そしてBudn18へ。ここのアイウェイウェイの自転車の作品は圧巻です。Foreverという中国メーカーの自転車(今は購入が難しいよう)を88個縦に積み上げたもので、空間にぴったりと収まっています。上海に行かれる方は必見です。そして、ここのアートディレクターで、森美術館時代からとてもお世話になっている金さんと一緒に近くでランチ。
そしてばたばたと現場に戻り、いよいよ作業開始、です。

2008年10月7日火曜日

上海:雲の上での仕事、始まる

いよいよ、約1年がかりで担当していたプロジェクトも終盤にさしかかり、作品の設置が始まりました。ニュースにもなった上海の森ビルの中に入るハイアットホテルのロビーに中国の現代美術作家の劉建華の作品の設置です。到着初日はまだ内装が完了しておらず作業ができなかったので、担当者の方にハイアットを案内してもらいました。写真はプールの様子。雲の上でこんなラグジュアリに泳ぐのはどんな方なのでしょうか。かなり泳ぐのに緊張してしまうような空間でした。

2008年10月6日月曜日

台北:楊俊さん&崔廣宇さんとディナー

台北での最後の夜、台北ビエンナーレに作品を出展しているオーストリア在住の中国人作家、楊俊
さんと、台湾人作家で横浜トリエンナーレにも作品を出展している崔廣宇さんとディナー。私が海鮮料理を食べたかったので、ローカルな海鮮料理屋さんへ。食事はおいしく、ビールもあっという間に4本飲み干してしまいました。そして、横浜アート&ホームコレクションで私が担当することになったモデルホームで作品を展示することを二人からOKを頂き、また台湾、日本、中国、そしてアートの話でかなり盛り上がり、楽しい夜はあっという間に過ぎました。

2008年10月3日金曜日

台北:Kuandu Biennale & Taipei Biennial、IT Park

今回は大変な思いをして台北に到着。と言うのも、ちょうどフライト予定日に台風が台北を直撃し、その日のフライトはキャンセルされ、成田で一泊、翌日の朝飛び立ったものの、台北に着陸できず大阪に引き返し、夕方の大阪発の飛行機で台北へ、と1日がかりの移動になってしまいました。さすがにへとへと。
何日間かちょっとゆっくりした後、気を取り直して二つのビエンナーレを回ってきました。Kuandu Biennaleは、今年が始めてのビエンナーレで国立台北芸術大学の敷地内にある、関渡美術館で開催されています。ビエンナーレと言っても、美術館でのグループ展といった佇まいで、程よい規模の展覧会でした。この美術館は空間がとても美しく、その規模もまた程よい。展覧会はハツシバさんが台北で行ったプロジェクトや、横浜美術館のゴス展に出展したピューぴるさんなどが展示され、いい感じによくまとまっていた展覧会でした。
その後、台北市立美術館で開催されている台北ビエンナーレへ。台北で滞在制作した作品が多いせいか、台北市の情景が作品のいたるところに見られ、同じような作品が並んでいる印象をうけてしまいました。また、テーマにも関係しているのかグローバリゼーションを批判するような作品も多く、比較的コンセプチュアルな作品が並んでいて、正直迫力に欠けました。
最後にITParkに足を運び王俊傑の展覧会を見て本日は終了。アート三昧な台北での一日になりました。